はじめに
いつしか見なくなった「中国人爆買い」
2010年代半ば、百貨店やドラッグストアを中心に話題となっていました。
高級ブランド品から炊飯器、化粧品まで
文字通り「大量購入」する姿がニュースで取り上げられ、日本経済にも大きなインパクトを与えました。
しかし、近年その姿はすっかり影を潜めています。
ではなぜ「爆買いは消えたのか?そしてインバウンドの今」はどうなっているのでしょうか?
いまさら聞けない?インバウンドとは
「インバウンド」とは
海外から日本へ訪れる外国人旅行者や、それに伴う消費・観光産業全体を指す言葉です。
- 日本に来る外国人観光客→インバウンド
- 日本人が海外に旅行する→アウトバウンド
観光、宿泊、食事、買い物、体験など
訪日観光客が日本で行う活動全てが「インバウンド」に含まれます。
つまり「爆買い」もインバウンド消費の一部だったというわけです。
中国人「爆買い」が消えた理由
1.中国国内での購買環境の変化
以前は「日本でしか買えない」「日本製は高品質」というイメージから
多くの中国人が大量購入していました。
しかし、現在は中国国内でも高品質な製品が手に入りやすく価格差も縮小しています。
さらに、越境EC(ネット通販)の普及により
わざわざ日本で買う必要性が低下しました。
2.円安の影響が限定的に
円安で「訪日観光客に有利」と言われますが
中国では景気の減速や失業率上昇が深刻です。
円安効果があっても「大量消費」にはつながりにくくなってきたのかもしれません。
3.観光の目的が「モノ消費」から「コト消費」へ
爆買いブームの頃は「買い物目的」で訪日する人が多かったですが
今は「体験」にお金を使う傾向が強まっています。
温泉やテーマパーク、地方の自然、食文化などに魅力を感じ
旅行の価値が「体験重視」へとシフトしているのです。
4.日本政府の免税制度や規制の変化
過去には訪日観光客の免税枠を活用した「まとめ買い」もありましたが
制度の厳格化や規制の変化も影響しています。
インバウンドの今
では「爆買い」がなくなった今
日本のインバウンドはどうなったいるのでしょうか?
・訪日客数は回復傾向
新型コロナ後の2023年~2025年にかけて。訪日外国人は急速に回復
特に韓国、台湾、東南アジアからの観光客が増加しています。
・地方観光が伸びている
東京・大阪・京都といった大都市だけでなく、北海道・九州・北陸への観光も増加しています。
インバウンドは「分散化」の時代へ
・消費の中身が変化
「ブランド品の大量購入」から「飲酒・宿泊・体験」へと
消費の軸が移行
観光地のレストランやホテルにとっては好影響です。
まとめ
「中国人爆買い」は過去の現象となりました。
しかしそれは、インバウンドが衰退したという意味ではありません。
むしろ消費のスタイルが「モノからコトへ」と進化し
日本の観光業にとって新しいチャンスが広がっています。
今後は、単なるショッピング目的ではなく
日本ならではの体験や文化に魅力を感じてもらえるかどうかがカギとなるでしょう。
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